秋のアレルギーとは?
暑かった夏も過ぎ、少しづつ朝夕は涼しくなり秋の気配がするようになりました。それと同時に秋のアレルギー症状で、当院を受診される患者様が増えています。以前よりも秋のアレルギー症状で苦しんでおられる患者様が増えているように感じます。秋のアレルギーでは鼻水やくしゃみなどの鼻症状に加えて、咳や皮膚のかゆみを伴うことが多くみられます。
それでは秋のアレルギーの原因としてどのようなものが重要なのでしょうか?
秋に増えるダニアレルギーとは?
秋のアレルギーの原因として重要なのがダニによるアレルギーです。
家にあるカーペットやクッション、布団などの中にはヤケヒョウダニやコナヒョウダニと呼ばれる小さなダニが存在します。これらは5月~7月の夏季に増殖し、9月~10月に気温が少し下がると死滅します。これらのダニの死骸や糞に含まれるタンパク質に反応してアレルギー症状が生じるとされています。このタンパク質は春の花粉に比べ小さいため、鼻を通り越して気管内に付着し、咳や喉の違和感や喘息症状などの呼吸器症状を呈すると言われています。
また小児喘息の90%以上の患者様がダニアレルギーであるという報告もあり、ダニアレルギーに対する積極的な対策が重要であるとも言われています。
風邪ではないが秋に鼻水や咳、皮膚のかゆみなどが続くときはダニアレルギーの可能性があります。
ダニアレルギーに対する対策は?
ご自宅でできる対策を列記させていただきます。
- こまめに掃除機をかける。
- 布団は天気が良ければ、天日干しをして取り込むときに掃除機をかける。
- カーテンを抗アレルギー仕様に変更する。
- 畳の上のカーペットは可能であれば撤去する。(抗ダニ仕様のカーペットに変更する。)
クリニックでの検査・治療は?
1. アレルギー検査
アレルギーの採血検査で、原因と対策を検討します。当院では1回の採血で39種類の花粉やペット、食物などを含めた物質を調べることができます。採血の難しい小さなお子様には、指先からの少量の採血でできる検査も可能です。
2. 投薬療法
アレルギーが疑われる場合は、内服薬や点鼻スプレーなどを用いた治療を行います。患者様の症状や生活パターンに合わせて、お薬の組み合わせを工夫することで、症状をしっかりと抑えつつ眠気の少ない治療を選択することができます。
3. 舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
近年、注目を浴びている治療法です。日本ではスギとダニに対する治療が保険適応となっています。アレルギーの原因となる物質を継続して内服(3~5年)することで、アレルギーを起こしにくい体質へと変えていく治療法です。今までのお薬で症状を抑える治療と併用して行うことも可能です。
4.鼻腔粘膜レーザー治療
内服治療などでも鼻閉(はなづまり)が強い方には鼻腔粘膜レーザー治療をお勧めします。夜間の鼻閉が続くといびきや睡眠障害の原因となることがあります。外来でレーザー治療を行いますので入院の必要はありません。施術時に局所麻酔を行いますので痛みはほとんどありません。中学生以上の方が対象となります。
これらの治療を組みあわせて行うことで、早く確実な治療を行うことができます。
院長 田中順平
院長の一言メモ
秋のアレルギーはご自身でも風邪かと思い過ごしていたという方も多くいられます。小さなお子様の長く続く咳の原因となることもあります。当院では小さなお子様でも可能な検査も用意しております。アレルギーの治療は患者様一人ひとりに合わせた、オーダーメイドであるべきと考えています。気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。